1. 所得税法に基づく帳簿・書類の保存義務
所得税法第120条では、事業所得、不動産所得または山林所得を有する者に対して帳簿書類の保存義務が課されています。
1-1. 青色申告者の場合
- 帳簿書類の保存期間:原則7年間
- 帳簿の種類:仕訳帳、総勘定元帳、売掛帳、買掛帳、経費帳など
1-2. 白色申告者の場合
- 平成26年1月以降、白色申告者にも記帳・帳簿保存が義務化
- 保存期間:原則7年間(法定帳簿7年、任意帳簿5年)
1-3. 現金主義による所得計算の特例
簡易な記帳と保存で済む「現金主義」の特例を利用している場合でも、帳簿作成・保存義務はあります。
1-4. 非居住者の取扱い
非居住者であっても、日本国内で事業を行っている場合は帳簿の作成・保存義務があります。
2. 法人税法に基づく帳簿・書類の保存義務
法人税法第126条では、法人が帳簿書類を保存する義務について定められています。
2-1. 青色申告法人
- 保存期間:原則は7年、欠損の兼ね合いで10年になることも(法人税法施行規則第59条)
- 対象書類:決算書、領収書、契約書、請求書など
2-2. 白色申告法人
- 青色申告でなくても帳簿保存義務は同様に課される
- 整然とした記録がされていない場合は、推計課税のリスクがある